コナン『から紅の恋歌』百人一首の意味を解説! 

コナンから紅の恋歌の百人一首を解説 作品解説・考察
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百人一首を題材に事件が起こる、劇場版「名探偵コナン・から紅の恋歌」。

今回はあらすじや映画の中で使われている百人一首についての解説をしていきたいと思います。

あの百人一首ってどんな意味?

詳しく知ればストーリーをより興味深いものにしてくれます!

百人一首の大会を中心に平次と和葉の恋愛模様は進んでいくのか?

紅葉との三角関係はどうなるのか?

などについても注目していきたいと思います。

この記事ではネタバレを含みますので、ぜひ映画をご覧になった後で読んでいただけたらと思います!

「コナン・から紅の恋歌」ってどんな映画?あらすじについて

劇場版「名探偵コナン・から紅の恋歌」は百人一首の大会が中心となり事件が展開されていきます。

小五郎に同行し、大阪のテレビ局を訪れたコナンたちは関西の名探偵・平次と和葉に遭遇。

そこで爆発事件に巻き込まれます。

まるでテロのような事件なのに犯行声明が出ていません。

犯人の目的がわからず不可解な状況のなか、平次の婚約者を名乗る大岡 紅葉と対面。

和葉は爆破に巻き込まれた友人の代わりにかるたの大会に出場することに。

紅葉に平次への告白する権利をかけ勝負を挑まれます。

時を同じくして京都の日本家屋にて皐月杯の優勝者が殺害される事件が発生します。

その時に殺害現場のモニターに映し出された紅葉。

かるた札がダイイングメッセージのように意味があるように散らばっていました。

コナンたちはそれを解いていこうとします。

ここからは作品に登場した百人一首の意味を見ていきたいと思います!

コナン百人一首「しのぶれど」~和葉~

40番「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」

平兼盛(たいらのかねもり)

現代語訳:
心に秘めてきたけれど、顔や表情に出てしまっていたようだ。
私の恋は、「恋の想い事でもしているのですか?」と人に尋ねられるほどになって。

映画で和葉が得意札に選んだ歌。

作者の「平」の字が平次を連想させるからという理由で選んでいます。

歌の意味もずっと平次を思い続けていて恋心を隠すことができていないというところがピッタリですよね!

歌の意味ではなく平次を連想できるからという理由で選ぶ和葉も一途で可愛いです。

たった一枚の得意札なので紅葉との対決では「しのぶれど」の札をきっちりと取り切ります。

紅葉は和葉の得意札を見抜き簡単にとらせないように対策をしていました。

和葉は平次の言葉を思い出し、しっかりと落ち着いて見事に紅葉から「しのぶれど」をとることができました。

コナン百人一首~紅葉~

紅葉の得意札は6枚。

師匠の名頃と同じ札を得意札にしています。

ですが、どれも紅葉が入っていて必然と得意札になって行ったのかなと思います。

また、今回の劇場版の犯人は名頃の犯行に見せかけるために得意札6枚をそれぞれ残しています。

「山川に」「此の度は」「奥山に」「嵐吹く」「千早ぶる」「小倉山」の6枚。

順に紹介していきます。

「山川に」

32番「山がはに 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり」

春道 列樹(はるみちのつらき)

現代語訳:
山の中の川に風が掛けた流れ止めの柵(しがらみ)がある。
それは、流されないでいる紅葉の集まりだったよ。

紅葉が流されきれずに集まっている川の様子を唄った情景の詩です。

今回の映画では一番初めに殺害された矢島俊弥が持っていたかるたです。

「此の度は」

24番「此の度は 幣もとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに」菅家(かんけ)

現代語訳:
今度の旅のことは急で道祖神に捧げる幣(ぬさ)も用意することができませんでした。
手向けの山の紅葉をささげるので神よ御心のままにお受け取りください。

「かみのまにまに」という句が可愛く百人一首を覚える時に割と初めの方に覚えることができたかるたです。

また、菅家とは学問の神様である菅原 道真のことです。

学問の神様は面白い句を残しますね~

今回の映画では爆弾が仕掛けられた車に乗っていた関根康史にメールで送られてきています。

「奥山に」

5番「奥山に 紅葉ふみ分け 鳴く鹿の 聲きく時ぞ 秋は悲しき」

猿丸太夫(さるまるだゆう)

現代語訳:
人里離れた奥山で、散り敷かれた紅葉を踏み分けながら雌鹿が恋しいと鳴いている雄の鹿の声を聴くときこそ、秋はいよいよ悲しいものだと感じられる。

「鳴く鹿の」という部分に遠く離れた妻や恋人を思う気持ちを重ねて読んでいるともされていて、愛情深い恋の詩だと感じますよね。

今回の映画では日売りテレビが爆破される際にテレビ局にメールで画像が送られてきています。

「嵐ふく」

69番「嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の 錦なりけり」

脳因法師(のういんほうし)

現代語訳:
山風が吹いている三室山(みむろやま)の吹き散らされた紅葉で竜田川の水面は錦のように絢爛たる美しさだ。

奈良県にある三室山や竜田川の景色を詠った句。

今回の映画では紅葉にメールで届いた句です。

「ちはやぶる」

17番「千早ぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」

在原業平(ありわらのなりひら)

現代語訳:
様々な不思議なことが起こっていたという神代の昔でさえも、こんなことは聞いたことがない龍田川が真っ赤な紅色に水をしぼり染めにしているとは。

作者の在原業平は平安時代のプレイボーイと言われ、「伊勢物語」の主人公のモデルにもなっているそうです。

この句に紅葉という言葉は出てきていません。

「からくれない」という部分で赤く紅葉で染まっていると比喩されているので得意札の一つとなっているようです。

今回の映画では和葉にメールで届いた句です。

最後の大勝負の段階で和葉にメールが届くので見た時はすごくドキドキする展開でした。

また、映画のタイトルにもなっている「からくれない」もっと意味があるのかな?

まだ最後に出てくるのかな?と思ったけど特に使われず。

かるたの意味として赤く染まるという部分で恋愛要素が盛りだくさんの「赤」。

かるたの札が血に染まるの「赤」。

爆破の「赤」。

個人的には、いろんな赤で埋め尽くされているという点でタイトルに使われているのかなと思っています。

「小倉山」

26番「小倉山 峯のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ」

貞信仰(ていしんこう)

現代語訳:
小倉山の峰の紅葉よ。
お前に人間の情がわかる心があるなら、もう一度天皇がおいでになるまで散らずにまっていてくれないか。

見せたい人が来るまで小倉山の紅葉が散らないでほしいという情景を詠った句。

今回の映画では阿知波 研介にメールで送られてきたカルタです。

コナン百人一首「めぐりあいて」~蘭~

57番「めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな」

紫式部(むらさきしきぶ)

現代語訳:
せっかく久しぶりに会えたのにそれがあなただとわかるかどうかのわずかな間にあわただしく帰ってしまわれた。
まるで雲間にさっと隠れてしまう夜半の月のように。

今の大河ドラマ「光る君へ」と主人公である紫式部の句です。

幼友達とのことを詠った歌だと言われていますが、ドラマを見ていると道長とのことではないのか・・・?と想像してしまいます!

今回の映画では蘭が選んだ歌です。

いつも会えたと思ったらすぐに去っていく新一を思う蘭にピッタリな歌ですね。

コナン百人一首「瀬をはやみ」~新一~

77番「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ」

崇徳院(すとくいん)

現代語訳:
川の瀬の流れが速く、岩にせき止められた急流が2つに分かれる。
しかしまた1つになるように、愛しいあの人と今は分かれても、いつかはきっと再開しようと思っている。

障害を乗り越えても必ず逢おうという気持ちが込められています。

映画ではパスケースを落とした紅葉に蘭が病院まで届けた時、紅葉はこの句を詠みます。

その時、幼いころに結婚の約束を平次としたことを告げるんですね。

またこれは、新一が蘭ちゃんに送った句でもある百人一首。

たくさんの障害があるけれどそれを乗り越えてまた元の姿に戻って蘭と逢うんだ…

こんな気持ちがよくわかる歌を選んでいるのではないでしょうか?

コナン百人一首「玉の緒よ」

「玉の緒よ 絶えねば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする」

式子内親王(しょくしないしんのう)

現代語訳はわが命よ、絶えてしまうのなら絶えてしまえ。このまま生きながらえると耐え忍ぶ心が弱ってしまうから。という訳になります。

劇場版のポスターで灰原 哀の近くにある句です。

こんなのコナン君が好きって言ってるようなもんじゃないですか!!

切なすぎますよね(泣)

哀ちゃんのコナンへの愛が見え隠れするたびに蘭ちゃんともくっついてほしいけど!

哀ちゃんも捨てがたい!

重婚認められないかな・・・?と毎回思ってしまいます。

劇場版のポスターだけ登場する句で見逃してしまう方も多いのではないでしょうか?

青山先生はいろんなところに伏線や仕掛けをおちゃめにちりばめてくるので、見逃さないようにしたいですね!

「コナン・から紅の恋歌」の百人一首についての解説やまとめ!

「名探偵コナン・から紅の恋歌」についてのあらすじや映画で使われた百人一首について解説をしていきました。

百人一首の解釈は深く見ていくと本当に興味深いものがたくさんあります。

その中で劇中で使用されたもののがそれぞれのキャラクターに本当にピッタリでびっくりしました

平次だけがかるたを選んでなかったのも平次っぽいというかなんというか・・・。

紅葉との関係も驚きの聞き間違いでよかったなというのもあったり見所が盛りだくさんな作品でした。

恋愛要素がたっぷりの作品なので平次と和葉推しの人はキュンとできる作品です!

告白されてからまだ正式に恋人になっていない蘭と新一もひっそりとイチャイチャしているので、こちらも注目ですよ。

いつも通りの盛大な爆破もあり、絶体絶命のピンチもありドキドキわくわくの作品で私の一押し映画です。

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