冨樫 義博(とがし よしひろ)先生は、週刊少年ジャンプで「幽☆遊☆白書」や「レベルE」等の人気作品を連載してきた人気漫画家の1人。
そして、現在も「HUNTER×HUNTER」を不定期で連載しています。
しかし、休載が多く、その原因は病気によるものであると言われていますよね。
今回は、過去から2025年現在までの病状の変遷や休載状況について深堀します。
冨樫義博の病気の始まりと経過
冨樫先生は、週刊少年ジャンプで「HUNTER×HUNTER」を連載していました。
1998年より連載を開始し、2025年現在も完結していません。
連載期間中の休載期間がとても長く、現在も休載中です。
その病気の経過について以下にまとめます。
| 連載作品 | 年 | 冨樫義博年齢 | 病状 |
| 「幽☆遊☆白書」 | 1990~1994年 | 24~28歳 | 連載中は体調の悪い時期あり。 しかし、休載はほとんどなし。 |
| 「レベルE」 | 1995~1997年 | 29~31歳 | 不定期連載。 アシスタントを雇わず。 |
| 「HUNTER×HUNTER」 | 1998~2025年 | 32歳~59歳 | 頻繁に休載。 腰痛が悪化。 |
主に腰痛が体調不良の原因のようです。
腰痛の原因は、主に下の様なものがあります。
・長時間の静止姿勢による筋肉の緊張
・姿勢のゆがみ
・筋力低下
・過剰な運動による筋肉の損傷
・心因性・ストレスによるもの

この4つの原因は漫画家に常について回る問題なんですね。
また、冨樫先生は身長が171cmあるそうです。
身長の高い人は、机が合っていないと、より猫背になってしまいそうですよね。
個人的に、冨樫先生のインタビュー記事を見ると、万全の状態なら、描き始めると止まらないタイプだと推測します。
若い頃は多少無理をしても、回復も早いですよね。
しかし、年齢を重ねるごとに、無理な姿勢で腰に負担がかかり続けていたら…
慢性化→さらに悪化してしまったのかな…と感じてしまいました。
「幽☆遊☆白書」連載中の異変と腰痛

冨樫先生の体調不良は「幽☆遊☆白書」の連載中から始まっていたようです。
RPGで言うところのHPは確実に減っていたようで、読み切り31P・巻頭カラー
がたて続けに来たあたりで徹夜をすると心臓に痛みが走り出すようになり、
徐々にその間隔が縮まってくるようになりやがりました。
引用:「敗北宣言」
と「幽☆遊☆白書」終了後に描いた同人誌「敗北宣言」の中で本人が語っています。
思わず、え?心臓!?とかなり心配になりました。
現在まで心疾患に関する発表や報道はありませんでした。
腰痛とは無関係なのかもしれませんが、一時的にかなりの疲労が蓄積していたことが言えると思います。
また、冨樫先生のアシスタントの証言も。
「幽☆遊☆白書」と「レベルE」の時期にアシスタントをしていた味野くにおさんが
その時期の冨樫先生の様子を著書「先生白書」内で描いていました。
自分がこれを知ったときに、本当にびっくりしました。
身体を休める間もなく描き続けなければならない状況を想像してしまいます。
寝た状態とは、どんな向きだったのかもわかりません。
しかし、向きによっては余計に腰にくるのでは?とも思います。
と言うのも、知人が出産後ぎっくり腰になったことがありました。
うつ伏せで本を読んでいたことも原因の一つだと整体の先生に怒られたとも話していたからです。
そして、腰痛の影響で、どうやら「幽☆遊☆白書」を終わらせる動きが出てきたようです。
次にくわしくみていきます。
「幽☆遊☆白書」打ち切り説は腰痛の影響か?
また、本作は全19巻ですが、15巻の内容を描いていた時期に編集部と話し合って、
連載終了の目途を立てていたことも証言しています。
「幽☆遊☆白書」の完結については、打ち切り説がささやかれていました。
私も単行本を見て、唐突に終わった印象を受けました。
当時、本作は魔界三大勢力が登場する「魔界トーナメント編」に入っていました。
いよいよクライマックスという展開。
しかし、三大勢力との対決の場面はほとんどなく、終了しています。
主人公のルーツに触れるなど、最低限のやりたかったことを消化し、話を畳んだ印象を受けました。

もっと描きたい内容はあったのではないかと考えています。
しかし、体調不良もあり、終了せざるを得なかったのかもしれません。
万全な状態で連載を終えられたら、どのような内容となっていたかは気になります。
「レベルE」の不定期連載
「幽☆遊☆白書」の終了後、「レベルE」がジャンプに掲載されます。
冨樫義博先生が30歳前後のときの作品です。
「レベルE」は、月1回程度の不定期連載の形式。
全3巻の内容を3年で完結させています。
理解してもらえるかわかりませんが、原稿が満足にできないことによって生じるストレスを解消する方法が「一人で原稿を仕上げること」なんです。
引用:「敗北宣言」
精神的な不調を一人で原稿を描くことで解消していたのではないでしょうか。
一人で描くには週刊連載では間に合いません。
そのための月1連載だったのだと思われます。
しかし、この頃も腰痛はひどかったようです。
根本的な治療よりも、少しでも症状がないときにひたすら漫画と向き合っていたのでしょう。
また、「レベルE」という作品を知らなかったと言う人も多いのではないでしょうか?
私も読んでいませんでした。
しかし、後にアニメ化もされるほどコアな人気があります。
ファンにとっても冨樫先生にとっても、短いながらも納得のできであったのではないかと感じます。
「HUNTER×HUNTER」連載中に腰痛がさらに悪化
「HUNTER×HUNTER」連載中には、休載が増えていきました。
私はジャンプ本誌を購読していましたが、下書きでジャンプに掲載されることが多々ありました。
休載も非常に多かったですね。
病気という説もありましたが、原因ははっきりとは分かっていませんでした。
ただジャンプ本誌のあとがきで、作者が腰や心身の不調を訴える様子がありました。
ネットでは、「冨樫仕事しろ」というフレーズが使われるように。
「HUNTER×HUNTER」=休載という印象が大きくなっていき、現在もそれは変わらないですよね。
以下が「HUNTER×HUNTER」の休載(週刊連載)についての表です。
1998年 休載率8.1% 掲載回数34回 休載回数 3回 1999年 休載率31.3% 掲載回数33回 休載回数15回 2000年 休載率27.1% 掲載回数35回 休載回数13回 2001年 休載率33.3% 掲載回数32回 休載回数16回 2002年 休載率37.5% 掲載回数30回 休載回数18回 2003年 休載率20.8% 掲載回数38回 休載回数10回 2004年 休載率53.1% 掲載回数23回 休載回数26回 2005年 休載率35.4% 掲載回数31回 休載回数17回 2006年 休載率91.7% 掲載回数 4回 休載回数44回 2007年 休載率83.3% 掲載回数 8回 休載回数40回 2008年 休載率58.3% 掲載回数20回 休載回数28回 2009年 休載率95.9% 掲載回数 2回 休載回数47回 2010年 休載率58.3% 掲載回数20回 休載回数28回 2011年 休載率66.0% 掲載回数16回 休載回数31回 2012年 休載率70.8% 掲載回数14回 休載回数34回 2013年 休載率95.8% 掲載回数 2回 休載回数46回 2014年 休載率81.3% 掲載回数 9回 休載回数39回 2015年 休載率100% 掲載回数 0回 休載回数49回 2016年 休載率77.1% 掲載回数11回 休載回数37回 2017年 休載率79.2% 掲載回数10回 休載回数38回 2018年 休載率58.3% 掲載回数20回 休載回数28回 2019年 休載率100% 掲載回数 0回 休載回数48回 2020年 休載率100% 掲載回数 0回 休載回数47回 2021年 休載率100% 掲載回数 0回 休載回数47回 2022年 休載率87.5% 掲載回数 6回 休載回数42回 2023年 不定期連載 掲載回数 10回 2024年 不定期連載 掲載回数 8回 2025年 不定期連載 掲載回数 2回
なんと、連載初期にダイエットが理由の休載
がありました。
冨樫先生は21歳時点で体重は71kgだったようです。
ハンターハンターの連載は、32歳ごろから。
10年が経過しているとすると、体型・体力面の変化も当然ありますよね。
個人的には、腰痛対策のために体重を減らそうとしたのかもしれないとも感じました。
しかし、あまり効果はなく、腰痛解消はできなかったようです。
徐々に休載が増えていく様子が伺えますね。
特に、2018年11月の休載から2022年10月に連載が再開されるまで、
約3年11カ月の休載期間がありました。
その間に、本人から体調についての言及がありました。
確かに2年ほど椅子に座れない状態で描けませんでしたが、従来のやり方をあきらめることで現在は何とか執筆を再開しております。
(中略)あらゆる動作が常人の3~5倍時間がかかります。腰大事
「冨樫義博展 -PUZZLE-」に寄せられたコメントです。
上記のコメント執筆の2週間前まで、トイレでお尻を拭く体勢がとれなかったともありました。
実は私も腰の激痛により、何をするにもゆっくりとしか動けない状態を味わった経験があります。
冨樫先生は、それよりもかなり辛い状況であったことが想像できました。
そのため、2023年からは不定期連載の形式を取ることとなりました。
単行本が刊行できる10話分を連載し、休載をするという流れができています。
彼にとっては、漫画を描くことそのものが腰痛と直結しているくらい、
漫画家である以上腰痛が改善していくというのは難しいのでしょうか?
しかし、作者のやりやすい形式での執筆をすることができるのは良かったのかもしれません。
冨樫義博の2025年現在の病状は?
— 冨樫義博 (@Un4v5s8bgsVk9Xp) November 10, 2025
作者は、2022年5月24日にTwitterを開設し、原稿を描く様子を投稿しています。
最新では2025年11月に投稿をしています。
近いうちに連載が再開されるかもしれませんね。

Xで原稿が出来上がる様子を投稿してもらうのは、ファンにはありがたいですよね。
今や漫画もデジタル制作が主流で、90%近くの漫画家がデジタルで描いているというデータも。
しかし冨樫先生の投稿を見ると、従来のアナログの描き方を続けていることが伝わってきます。
ネームや表紙の写真から、変わらないアナログのよさみたいなものも感じられますよね。
何も情報がない状態で数年を待っていた頃よりは、少しずつ制作を重ねる日々が知れて安心して待てますよね!
まとめ:冨樫義博の病気とあきらめない連載への執念
冨樫先生の病気について深堀してきました。
20代から週刊連載で漫画を仕上げる忙殺された日々の中、
軽度の腰痛からはじまり、根本的治療もできずに、深刻な腰痛の悪化が長年あったようです。
現在は、慢性化している腰痛と向き合いながら、少しずつでも原稿を仕上げている姿をXで見ることができます。
漫画家には心身の不調が付き物で、それが原因となり作品を終了させてしまった作者もいます。
自分は、冨樫先生が連載の形式を変えても執筆を続けているのは救いだなと感じています。

無理のない範囲で、何とか「HUNTER×HUNTER」も完結させてほしいですね。

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