「マクロス」「アクエリオン」といった人気アニメを手がけた河森正治監督。
河森監督が制作したオリジナルアニメ映画『迷宮のしおり』が2026年1月1日から公開。
これから観に行こうかと楽しみにしている人もいれば、
観に行かれた人は「意味不明」「ひどい」「内容が薄い」「つまらない」とモヤモヤを感じている人も。
この記事では、モヤモヤ感はなぜなのか?や、
これから映画を観に行こうか迷っている方に向けた、3つの低評価の理由をまとめました。
迷宮のしおりがなぜ意味不明でひどい?
「現代的なテーマで面白そうだったのに、見終わった後のこの虚無感は何だろう……」
SNSや口コミサイトで『迷宮のしおり』と検索すると、目につくのは「ひどい」「つまらない」「よくわからない」といった厳しい評価の数々。
斬新な設定やキャッチーなフックがあっただけに、期待して手に取った人ほど、その落差に戸惑っているのではないでしょうか。
なぜ、魅力的な素材が揃っていたはずの本作が、ここまで「物足りない」と言われてしまうのか。
実は、批判の声を集約していくと、単なる好みの問題だけではない「3つの構造的な課題」が見えてきました。
テーマは良いのに「着地点」が納得いかない
要素の詰め込みすぎで「展開」が意味不明
演技の違和感で「没入感」が削がれる
多くのユーザーが感じた3つの「モヤモヤの正体」を一つずつみていきたいと思います。
根拠①結末の着地点がよくわからない
本作が「つまらない」と感じられる最大の理由は、提示された社会問題(SNSの闇)に対して、
解決策があまりにも個人的な「感情」に終始してしまったからです。
本作では、スマホの使用を見直す、本当の自分を見つめる・見つけるという社会派テーマの解決策は導かれています。
しかし、恋愛や友情が絡まっていて、承認欲求モンスターが結局は変わっていないのではとの指摘も。
「承認欲求モンスター」が変わっていない恐怖
一部の視聴者からは、最後まで「承認欲求モンスター」のままだと指摘されています。
物語を通じて彼女が精神的に成長し、SNSの数字以外の価値を見つけるなら納得感があります。
しかし、結局は「誰かに認めてもらいたい」という根本が変わっていないように映るため、
「結局、何も解決していないのでは?」という徒労感だけが残ってしまうのです。
「いいね」を求めない層を置き去りにした設定
本作はもう1人のSHIORIが「いいねを欲しがり、バズりたい」と暴走してしまいます。
しかし、現実は誰もがそうではありません。
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誰にも知られずにSNSを楽しみたい人
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リアルな知り合いにはアカウントを隠している人
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そもそも承認欲求に振り回されたくない人
こうした、「同じ境遇にない読者」にとって、主人公たちの悩みは共感しづらいものです。
とくに、マクロスなどを愛してきた世代にはマッチしないような背景かもしれません。
それ以外の人にとっては「自分とはどこか遠い」として映ってしまったのではないでしょうか。
演出が盛りだくさんでおもしろかった!すごかった!という意見もありましたが、
それがかえってよくわからなかったと対照的に感じた人も。
根拠②演出の盛り込みすぎで「芯」がボヤけた
本作を鑑賞した多くの人が口にするのが、「結局、何を見せられたのか分からない」という困惑です。
マクロス風のSFやバトル、突然始まるミュージカル、そして現代のSNSドラマ。
これらが調和していない、統一感がないと感じた人にとっては、作品の質を下げてしまったのが大きな要因です。
要素同士の「食い合わせ」の悪さ
「SNSの闇」というリアルな現代のテーマに対して、
「マクロス風の派手な演出」や「ミュージカル」は、表現のジャンルが大きく違います。
さすが河森監督だと言える登場人物の関係性や映像美、そして音楽に関しては高評価でした。
「よくわからなかったけどおもしろかった!」という声も。
しかし、突然のロボットバトルになったときは展開について行けない人が続出しました。
「盛りだくさん」なのに「薄い」の正体
要素が多いということは、一つひとつの要素に割ける時間が少なくなるということです。
SNSドラマを深掘りする時間、ミュージカルとしてのクオリティを上げる時間、SF的な設定を説明する時間。
これらが互いに時間を奪い合った結果、どれもが中途半端な「ダイジェスト版」のように。
これが、要素は多いのに「内容が薄い」と言われる最大の逆説です。
結局のところ「よくわからない」と理解が不十分で終わった人も。
根拠③没入感を削ぐ「声」の壁
本作を語る上で避けて通れないのが、声優初挑戦のメインキャストによる演技です。
意欲的なキャスティングではありましたが、
結果として「作品の世界観にブレーキをかけてしまった」という指摘も。
「セリフの読み上げ」になってしまった違和感
本来、声優の仕事は文字に「感情」と「体温」を乗せることです。
しかし、「用意された原稿を読んでいる」よう硬さが目立ったシーンも。
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課題: 喜び、怒り、悲しみといった感情の振れ幅が一定で、キャラクターが生きて動いている実感が湧きにくい。
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読者の感覚: 「キャラが喋っている」のではなく「後ろで人が台本を読んでいる」姿が透けて見えてしまい、物語に集中できない。
「繊細なテーマ」と「単調な演技」のミスマッチ
根拠①でも触れた通り、本作は「スマホの危険性」や「内面の承認欲求」といった、非常にデリケートなものを扱っています。
こうしたテーマには、息遣いや声の震えといった「微細な表現力」が不可欠です。
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分析: 脚本が求めている感情の深さ(100)に対して、演技のアウトプットが(20〜30)程度に留まってしまった。
結果として「ドラマとしての厚み」が消え、内容が薄っぺらく感じられてしまうのです。
プロの脇役との差
メインキャストが新人や未経験者の場合、周りを固めるプロの声優との実力差が浮き彫りになります。
脇役が喋ると世界観が広がるのに、メインキャストが喋ると現実に引き戻されるという影響に。
この繰り返される「温度差」が、視聴者にとっては大きなストレスとなり、「ひどい」という評価に繋がってしまいました。
まとめ:迷宮のしおりはどんな人におすすめ?
最後に、迷宮のしおりをおすすめできる人とおすすめできない人を分析します。
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おすすめしない人: ロジカルなストーリーや、没入感のある演技、一つのテーマを深く掘り下げた作品を求める人。
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おすすめできる人: ストーリーの整合性よりも、実験的な演出や「とにかく新しい要素が詰め込まれた雰囲気」を楽しみたい人。
『迷宮のしおり』が意味不明、つまらない、ひどいと評される理由。
現代的な鋭いテーマを掲げながら、演出や脚本、演技のすべてがそのテーマを支えきれなかったからに他なりません。
斬新な設定や豪華な要素を並べるだけでなく、それらをどう一本の物語として編み上げるか。
その『核』となる部分が複雑すぎたことが、期待していたファンに虚しさを感じさせてしまった正体だと言えるでしょう。

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